心の旋律が交差する、もうひとつの“記憶”の物語
──『ef – a tale of melodies.』を今こそ観てほしい理由
――心に、音が残る。
『ef – a tale of melodies.(エフ ア テイル オブ メロディーズ)』は、2007年に放送されたアニメ『ef – a tale of memories.』の続編。
前作で語られなかった“過去”と“想い”が、旋律のように紡がれていく――これは、もう一つの物語。
前作と同様に、胸を締めつけるような展開で物語に引き込まれていく作品です。
『ef – a tale of melodies.』ってどんなアニメ?
- タイトル:ef – a tale of melodies.
- 放送時期:2008年10月~12月(全12話)
- 制作会社:SHAFT
- 監督:大沼心(総監修:新房昭之)
- 原作:minori(PCゲーム『ef – the latter tale.』がベース)
- 脚本:高山カツヒコ
- キャラ原案:七尾奈留、2C=がろあ
あらすじ
今作では、「過去に囚われた大人たち」の物語が描かれます。前作の時間軸と並行しながら、より深く「記憶」「喪失」「赦し」がテーマに。
◆ 第一の物語 【火村夕(ひむら ゆう)と雨宮優子(あまみや ゆうこ)】
【過去パート】————————————–
舞台は数年前の音羽学園。転校生の雨宮優子と、少年時代の火村夕が再会する。
彼女は過去に火村と心を通わせた相手。再会を喜ぶ夕だったが、彼女は心に深い傷と秘密を抱えていた。
一方、優子は「何もかもが空っぽ」と口にしながらも、彼との関係に再び一歩踏み出そうとする──。
【現在パート】————————————–
数年後、火村は神父として街に戻り、街の片隅で生きている。そして、前作にも登場した千尋の姉・景(けい)と、時折言葉を交わしていた。
火村と優子の「過去にすれ違った想い」が、ゆっくりと再構築されていく。
◆ 第二の物語【久瀬修一(くぜ しゅういち)と羽山ミズキ(はやま みずき)】
音楽家としての道を断たれた青年・久瀬修一は、表面上は明るく振る舞っているが、心には深い闇を抱えていた。
そんな彼の前に現れたのは、活発で元気いっぱいの少女・羽山ミズキ。彼女は前作ヒロイン・景の後輩、麻生蓮治の従兄弟にあたり、修一にどこか惹かれていく。
だが、久瀬にはある重大な“秘密”があり、それが彼女との関係に暗い影を落とす──。
限られた時間のなかで、「人を愛する」ということに向き合う2人の物語。
前作とのつながりと“すべての記憶”の結末
『melodies.』は、『memories.』の裏側や続きが明らかになる構成になっています。火村と優子の過去は、前作の登場人物たちの運命とも密接に繋がっており、観るほどに「あのときのあの言葉」の意味が解き明かされていく。
前作で残された“謎”や“伏線”が、すべて感動に変わるラストへ──。
音楽が作品の魂
- OPテーマ:「ebullient future」/ELISA
- EDテーマ:「ever」/原田ひとみ
- 劇伴音楽:天門(『秒速5センチメートル』などで知られる)
旋律が記憶を呼び覚まし、感情を溢れさせる…。音楽がここまで物語と一体になったアニメは稀です。
見どころ・魅力ポイント【5選】
① 「過去と現在」が交差する“対話する構成”
本作最大の特徴は、時間軸が異なる2つの物語を交互に描く演出。
この2組のラブストーリーは、それぞれ独立していながら、テーマと感情で密接に繋がっていきます。観るごとに「今、描かれている感情」は“誰のもの”なのかを深く考えさせられる、極めて詩的で重層的な構成です。
過去の痛みが現在に影響し、現在の選択が過去の意味を変える──efならではの巧みな“時間の交差”が味わえます。
② 「赦し」と「記憶」という深いテーマ
『ef – a tale of melodies.』では、「愛すること」だけでなく、「過去を赦すこと」「痛みと向き合うこと」が大きなテーマです。
登場人物たちは皆、自分の過去と向き合い、再生の道を選ぼうとします。これは単なる恋愛アニメではなく、“人生の痛み”を抱えた人のための物語です。
③ 登場人物の“心の闇”に深く踏み込む
前作よりもテーマは重く、人物たちの感情描写はより繊細でシリアス。特に火村夕と雨宮優子の物語では、虐待、孤独、罪悪感といった難しい問題が描かれます。
「こんなに苦しいのに、それでも愛したいと思えるのはなぜか」キャラの感情が、観る者に静かに問いかけてきます。
④ 独自の映像&文字演出がさらに進化
『ef』シリーズといえば、“文字による感情表現”。本作でも画面全体に浮かび上がる言葉、色彩の変化、鏡や影の使い方など、視覚的に心情を語る演出がさらに進化しています。
アニメというより、“詩的な映像作品”。観るたびに新しい感情の層に気づける作りになっています。
⑤ 『memories.』とのつながりと答え
『melodies.』は前作『memories.』を観ていると、より深く響きます。
すべての物語が一本の線につながるような瞬間があり、シリーズ全体を通しての完成度に圧倒されます。
「これが“ef”という物語だったのか…」観終えたあと、1話目から見返したくなる構造も魅力です。
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サービス名 | 配信状況 | 備考 |
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おすすめ理由等は下記記事でまとめているので、よければご覧ください!




こんな人におすすめ!
- 前作『ef – a tale of memories.』を観て感動した方
- 「大人向け」の恋愛ドラマを求めている方
- しっとりとした切なさを味わいたい方
- ビジュアル・演出重視でアニメを楽しみたい方
前作を見てたら必ず見たくなる作品!
まとめ|最後にひとこと
いかがでしたか?知っている方は共感を、知らない人は少し興味を持っていただけたでしょうか?さくっとまとめてはいますが、個人的に語り出したら止まらない名作です。1期もストーリや演出に度肝を抜かれましたが、本作はプラスで心に刺さる、いい意味で抉られる場面が多かったです。放送当時は青春真っ盛りの私でしたが、めちゃくちゃ心にきたのを覚えてます。そして現在、社会パイセンに現実の厳しさと虚しさをご教示いただき、そのうえ税金を国にシェアさせていただく、「大人」という生き物になりました。見返すと余計に響きます。年々涙もろくなっていきます。
今日は卑屈な気分でネガティブなことを羅列しそうです。せっかく読んでくれている皆様を不快にさせる前に綺麗にまとめます。
この“旋律”は、きっと心に残る
『ef – a tale of melodies.』は、“恋愛アニメ”という枠を超えて、「人が何を抱えて、どう乗り越えるか」を静かに描き出す名作です。シリーズを通して描かれる「記憶」「赦し」「再生」。観終わったあと、自分の中に“何かあたたかいもの”が残ることに気づくはずです。