記憶と恋が交差する、切なさに満ちた青春群像劇
──『ef – a tale of memories.』を今こそ観てほしい理由
2007年10月放送、Shaft制作の青春群像ドラマ。クリスマスの夜「記憶」の秘密を持つ少女たちと出会うことで、少年たちの人生が静かに変わっていく。
「13時間しか記憶を保てない少女との恋」「色をなくした少女が再び夢を描くまで」
静かに始まり、胸を締めつけるような展開で物語に引き込まれていく作品です。
2007年の放送ながら今なお語り継がれる名作。
『ef – a tale of memories.』ってどんなアニメ?
- タイトル:ef – a tale of memories.(エフ ア テイル オブ メモリーズ)
- 放送時期:2007年10月〜12月(全12話)
- 制作会社:SHAFT
- 原作:minori(ビジュアルノベル『ef – a fairy tale of the two.』)
- 監督:大沼心(総監修:新房昭之)
- 脚本:高山カツヒコ
- キャラクター原案:七尾奈留、2C=がろあ
あらすじ
物語は、交差する2つの恋愛と、1つの記憶を巡る物語が並行して描かれます。
宮村みやこ × 広野紘
高校生の広野は、クリスマスの夜に倒れていた少女・みやこと出会い、惹かれあっていく。しかし、彼には幼なじみ・景がいて…
切ない三角関係が、すれ違いとともに静かに崩れていく。
新藤千尋 × 麻生蓮治
「13時間しか記憶が持たない」少女・千尋と出会った蓮治は、彼女の夢だった“物語を完成させる”手伝いをすることに。
しかし、時を重ねるごとに、切なさと衝撃が募っていく。
“夢を持ちながらも不安に揺れる少年”
“心の空白を抱えた少女”
“記憶に縛られた過去”
“想いを言葉にできない痛み”
そんなテーマが、詩的な演出と静謐な映像美とともに描かれていきます。
やがて物語は、紘・景・みやこ、そして蓮治・千尋の関係が交錯し、「大切な人を想うことの意味」「記憶に残る“想い”とは何か」に迫っていきます。
音楽と演出が“記憶”に残る理由
- OPテーマ:『euphoric field』/ELISA
- EDテーマ:『I’m here』ほか
- 劇伴音楽:天門(『秒速5センチメートル』などで知られる)
Shaftならではの実験的演出が本作でも全開。文字や記号、色彩を大胆に使ったカットが多く、「視覚で感情を揺さぶる」名演出として知られています。
魅力ポイント【5選】
① “記憶”と“恋”をめぐる哲学的で深いストーリー
『ef』は単なるラブストーリーではありません。物語の軸には「記憶」「存在の意味」「人を想うことの重さ」といった深いテーマがあり、それぞれの登場人物が“喪失”や“過去の傷”を乗り越えようともがきます。
人の記憶は消えても、“想い”は残るのか?“今ここにいる意味”を問うような物語です。
② 観る者の心を揺さぶる心理描写と感情演出
このアニメの真価は、キャラの感情を“見せる”ことに徹した演出にあります。心の中の葛藤、迷い、孤独、喜び…それらをセリフだけに頼らず、沈黙、間、色彩、構図で魅せてくる。
1カット1カットが計算されていて、「見逃せない映像表現の美しさ」が魅力です。
③ “セリフではなく文字で語る”独自の映像演出
『ef』の演出を語るうえで欠かせないのが、「文字演出」。画面いっぱいに浮かぶモノローグ、止まった時間に重なる“言葉の嵐”など、視覚的に感情を突きつける独自表現が多く用いられています。
特に最終回で画面を埋め尽くす言葉たちは、アニメ史に残る演出と言われるほど。
④ キャラ同士の“すれ違い”と“選択”のリアルさ
『ef』の登場人物たちは、皆まっすぐで不器用です。
それぞれの登場人物が悩みながらもそれぞれの想いに向き合っていく姿は、共感する部分も多いはず。
⑤ 「物語」で人は救われる──というメッセージ
千尋が記憶障害を抱えながらも“物語”を書こうとする理由。それは、「物語を書くことで、自分が誰であるかを確認できるから」。
この作品自体が、“誰かの記憶に残る物語”として生きていく。ef は、物語の持つ力を信じるすべての人に捧げられた作品です。
どこで見れる?(2025年7月時点)
サービス名 | 配信状況 | 備考 |
---|---|---|
DMM TV | ◎ 配信中 | 話題の新VOD |
dアニメストア | ◎ 配信中 | アニメ特化で最安クラス |
U-NEXT | ◎ 配信中 | 高画質・字幕あり |
Amazon Prime | △ レンタルあり | 見放題対象外の可能性あり |
その中でもアニメを見る方へ、個人的におすすめしているのが『dアニメストア』『DMM TV』です。
おすすめ理由等は下記記事でまとめているので、よければご覧ください!




こんな人におすすめ!
- 記憶や時間をテーマにしたアニメが好きな人
- 『Kanon』『CLANNAD』『秒速5センチメートル』などが好きな人
- セリフや演出で“深く刺さる”物語を探している人
まとめ|最後にひとこと
いかがでしたか?知っている方は共感を、知らない人は少し興味を持っていただけたでしょうか?当時この作品を見た時はストーリーと映像の見せ方に度肝を抜かれました。毎週毎週の放送が待ちきれないくらいには続きが気になったことを覚えています。あと、音楽がめちゃくちゃ好きでした。今でもOP・ED・挿入のSE、BGMを鼻歌可能です。特に話が切り替わる時に流れる短いSEが好きでした。年々、過去作品への愛が深まると感じている今日この頃です。
はい、だらだら書き始めたので今日も綺麗にまとめます。
『ef – a tale of memories.』は、“観たあとに自分の記憶を見つめ直したくなる”作品です。
語られすぎない余白、観る人の心で完成する感情、
2000年代の名作として、今だからこそ再評価される価値があります。
多分2期の『ef – a tale of melodies.』も記事にします。いえい